勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

踊りの輪を広げて

今週のお題「地元自慢」

同じ題で先に山の話を書いてしまいましたが、こちらも捨てがたいので2本目です。

 

もちろん、飯高地域の自慢ですよ。私の地元といえば大阪府箕面市になって、こちらも自慢することはあるのですが(箕面ビールとか箕面の滝とか箕面のパン屋さんとか)

箕面市は人口が多いしたくさんの人が自慢していることでしょう。

 

人口の極限られた松阪市飯高町はてなブログを書いているのは何人いるのか。

単純に「はてなブログ 飯高町」でググってみたけれど、見事に自分ばかりの独りよがり検索でした。ちなみに「ブログ 飯高町」ではアメブロに押されて17番目でした。

 

というわけで、はてなブログでの飯高町は私が代表でもおかしくないということで、最新の自慢話です。地域の人々のつながりと教育実践が濃縮でした!

 

飯高中学校区では、6年前から学校をコミュニティスクールとして、地域とのつながりが強い学校作りをしています。

コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度):文部科学省

 

元々地域とのつながりが強い学校であったので、他の多くの学校より先に活動を始めることができ、これまでに様々なことに取組んできました。まだはてなブログでなくワードプレスで書いていたときにコミュニティスクールについて触れた記事が亀成園HPにインポートされて残っていました。新参者でしかなかった私が、今はこの活動に関わり続けて実績も重ね、CSについて誰よりも語れる人になっているのだから面白いものです。

コミュニティスクールとはなんぞ亀成園(ゲストハウス、農家体験)

 

飯高町と一口に言ってもとても広い地域で、香肌小学校は15年前に3つの小学校が統合されてできた学校で、建物は統合されても人々が自然につながるまでにはタイムラグがありました。中学校も2つが1つになったのは7年前です。より広く様々な地域の子が通う事となり、地域学習も偏りが出てしまうのが仕方のないことではあります。でもそれでよしとしていてはいけませんよね。

 

香肌小学校でコミュニティースクール導入当時に飯高地元の熱心な教員の方が力を入れた活動の一つが「飯高祭文踊り」という、伝統的な盆踊りを教育現場に取り入れて統合することでした。同じ歌で同じ雰囲気でも地域によって少しずつズレがあり、成熟した人々が飯高全体として一緒に踊るのはなかなか苦労する踊りなのですが、子どもたちならどうだろうと試みてくれたのです。

 

飯高祭文踊りの基本パターンは、飯高の名所を唄う人がいて、太鼓を叩く人が居て、踊る人たちが合いの手を入れながら輪を描いて延々と踊るという形です。ゆったりとした盆踊りでコツをつかめば老若男女誰でも踊れて、ピシッときまる心地よさもあります。

 

飯高中、宮前小学校、香肌小学校の運動会での定番となり、毎年指導があって子どもたちに引き継がれていきます。どこかに動画がないかなと探してみたら、4年前のミャンマー祭りのときのがありました。当時の私たちもばっちり写っていて記念すべき動画かもしれません。8分半のたらーりとした時間もいいかなという方はご覧下さい。


www.youtube.com

踊りに加わっているのは地元の人もいれば、ミャンマー祭りに参加してここにも流れで入っているという人も多いです。こんな風に踊りを知っている人も知らない人も一緒に輪を描いて踊るので、私たち家族は移住したての頃から積極的に輪に入っていました。下の地区では父母世代で輪に入る人は滅多にいないそうですが、上流は小学生を口実にわりとみんな踊ることになっていて、コミュニティスクール活動が地域を活気づけるのに一役かってきた良い例なのです。

 

 その飯高祭文踊りが今年もまた中学校の体育館で行われました。

唄う人と太鼓を中心に、三年生の輪、二年生の輪、一年生の輪があり、その周りを保護者や地域の人が囲んでみんなで踊りました。地域の人の中には飯高町の上流から下流までいろいろな人が入り、また学校の先生方も生徒と一緒に積極的に踊っていたのです。

 小学校ではみんなまだ見様見真似で、キョロキョロしているうちに終わっていくのが常ですが、中学生は事前に仕込んであることも功を奏して、みんなの踊りには迷いがなかったです。合いの手や掛け声もいいタイミングで入り、雰囲気を出してくれました。

 

 地域の人が真ん中で、その周りを中学生と先生方が囲み、その周りをまた地域の人たちと保護者が一緒になって囲み、同じ踊りをする。聞こえてくる歌は飯高の名所案内で、自分の地区も他の地区も知っている地名もまだ知らない地名も同じリズムにのって聞こえてくる。保護者の中には輪に入らない人もいて、周りで楽しそうにおしゃべりしている人もいて、それもまたゆるくていい。踊っている側も結構な長丁場で「あー、もう腕上がらんわ」とか「やっと赤桶地区まできたな」とか軽く話をしながら、ゆるい雰囲気で踊っていく。

 これってまさに地域と共にある学校作りなんだなと強烈に感じた出来事でした。

 

 同じことを何年もやっているけど今強烈に感じたのは、PTA会長として市内にある他のPTAの話を聞く機会が増えて、結構皆さん学校や地域の人との関わりに苦労されていることを聞いていたからです。これからの学校作りをみんなで考えていく時期だからです。どの地域でも飯高祭文踊りがあるわけでもないし、進め方を間違ったら結局押し付け教育になってしまうし、PTAもコミュニティースクールも別々の人が行う組織である以上、何が正解ってこともありません。でも飯高中学校での祭文踊りは一つの美しい正解像を示すことができるなと感じたのです。

 

 飯高中学校区でコミュニティースクールが根付いて、学校に地域の人が集まる仕組み作りが進んできたのは、とにもかくにも関わる人たちの数えきれない小さなことが積み重なってきたからです。上からの制度であっても受け止めて真面目に取り組んで、自分たちなりに改善して努力する。何のためにって子どもたちと地域のために。踊りの輪は地域の粒粒とした力がともかくも集まった結晶です。

 

祭文踊りって何なのかもわからないけど、宗教的であるとされて教育現場に残り続けられるかどうかもわからないけど、飯高の名所を聞きながらみんなで身体を動かすというこの踊りの輪が、これからも続いていくように動いていきたいです。

 

最後は急にタオルアフィリエイト。好きな色が並んでいて嬉しいバナーです。