勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

丸く包んで円満祈願

もうすぐ中国や東アジア、東南アジアでは一年の中でも多分一番大事な春節です。

旧正月である新年最初の新月の日で、今年は1月22日の日曜日です。きっともう待ちきれないくらい盛り上がってきているのでしょうね。

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 亀成園家族は中国の天津で4年半暮らしていたことがあるので(上の娘2人は天津生まれです)その頃春節は大事なお休みでした。

会社勤め人には一番長くお休みがもらえて、そして寒い時期なので、南の方に旅をするのにぴったりでした。というわけで本場の春節を味わい尽くしてはいなかったのですけどね。

 

 都会へ働きに出ている人々も春節では故郷に帰るといいます。親戚皆で集まって餃子を作って食べるのだといいます。日本でおせち料理を手作りする人が減ってきているように、中国でも皮から餃子を作っている人は年々減っているのが現実かもしれませんが、

「みんなで輪になって、丸い皮であんを包むことで円満を願う」という根幹の想いはつながっていくでしょうか。

 

ひょんな幸運で、同じ地区にいる中国に縁のある若い家族が手作り餃子をみんなで作って食べたいとの企画をしてくれて、大人10人、子ども11人も集まって、お餅つき&餃子会をしました。

新暦新年と旧暦新年の間で、同時にたくさんわいわいとお祝いできたことは、近くに住んで楽しく子育てをする香肌小学校親子山村留学がつないだ家族たちの大きな力になりましたよ。

アイキャッチ画像も春節アレンジしてみました

亀成園提供は場所とお餅つきの臼セット、ニラ玉餃子に入れる卵です。

もち米や鹿肉は別の家族でとれたのを持って来てもらい、みんなで自給率を上げました。

日本で餃子を作る時は豚肉とキャベツに筍、椎茸、ニンニクといろいろな具材を入れ込むのが一般的ですが、本場中国風は2種類のことが多い印象です。豚とニラだけとか羊肉とパクチーだけとか牛肉とニンジンだけとかエビとキャベツだけとかです。具材となるあんをいくつか作って、それぞれ包んでいくのですね。野菜一種類だけの餃子もあり、昔はお肉入りの餃子はお正月にしか食べられなかったという話がコラムで載っていました。日本の田舎でも昔はお正月に飼い鳥をつぶしていたという話をきいたこともあり、なんだかしみじみしました。

中国の餃子 - 公益社団法人 日本中国友好協会(日中友好協会)

 

時間をかけて手をかけて作った丸めた食べ物を、気心の知れた安心できる人たちで囲んで食べる。新年を幸せにと願う人々の共通の願いがここまでつながっていて、お餅をついたり丸めたり、餃子の皮を丸く伸ばしたり包んだり。時々雨がぱらつくこともありましたが、にぎやかに和やかにそうして縁起のいい円満な時を過ごしていた私たちは、幸福に包まれていたのでしょう。

絶妙な顔隠しショット!

 お餅つきに慣れた子も、そうでない子も。器用に丸められる子もそうでない子(私も含めて)も。子供たちの年齢も3歳から14歳と幅広く、大人たちの出身も西日本も東日本も入り混じって。まさかこの三重の片田舎で集うとは、一年前には考えられもしませんでした。

 

 持続可能な暮らしとか多様性とか個の尊重とか、とりわけ意識しているわけではないのに関わらず、もしかして最先端の生き方真っただ中なのかもしれません。

 手作り餃子は得意な人がいるからこそ今はご相伴にあずかれるわけですが(感謝しかない!)、作り方を受け継いで材料を整えることができればずっとつなげていくことができます。豚肉がなくても猪でも鹿でもいい。白菜じゃなくてもネギでもニラでもフェンネルでも(余計珍しいですがフェンネルの餃子ってめっちゃおいしいのです)いい。粉と水でシンプルに、人から人へと楽しく受け継いでいく文化です。小麦栽培も本気になりそうです。

 大好評のお餅&餃子会はこれからも続いていきます。今回参加できなかった友達もいるし、また仲間が増えたら歓迎も兼ねてぜひ丸い皮を和気あいあいと囲みたいですね。未来を想像して、つい昨日を思い出してまた二へ二へです。一緒に居たみんなも二へ二へしてるといいなぁ。