森林インストラクターとして登録されている限りは自分にできることはしなければという想いはあリマす。資格って自覚することでそれらしくなっていきます。といっても自分でなにか森林教育プログラムを作って売り込みに行くことまではできておりませんが、機会を狙ってはいるのです。
私の知っていることなんてほんとにもういい加減で申し訳なさでいっぱい、という状態を乗り越えて堂々と生きていくためにも、実践が要りますね。でもいつどこで何をどうしたらいいかなぁとぐるぐるしていると、今年もありがたい挑戦の機会を頂きました。
今年も始まっております、森林インストラクター資格試験合格支援講座での講師役です。
三重県|お知らせ・イベント|スキルアップ講座「森林インストラクター資格試験合格支援講座」参加者を募集します
森林や林業についての幅広く難易度の高い試験に挑戦したい人のために、長期に渡っての支援があるのは三重県ならではなのだとか。
独学でも短期集中講座でも勉強はできますが、ちょっとテキスト読んで過去問眺めてたってなかなか頭にすんなり入らない規模の試験なのです。
私が試験突破できたのはひとえに講座あってのおかげだったので、恩返しも含めて講師役をすること2年目となりました。
うん、もうめっちゃ身の程知らずよね。
受講生にしてみれば、なんでも答えられる実績バリバリの先生であって欲しいのに、ひよっこに教えてもらうなんてクレーム出ないかドッキンドッキンしながらの講師役でしたよ。
三重の人はみなさん優しいからなんとかなったのかな。大先輩フォローのおかげでそれなりの話はできたのでしょうか。ああ、もう学生時代も塾講師とかカテキョとかやっとけばよかったと不思議な後悔をするようになったものです。
温かい感想で「問9はできそう」とか「楽しく勉強できた」とかアンケートに書いてくれる人もいるおかげで首の皮がつながっています。
そしてギリギリでしたがせっかく勉強し直して改めて腑に落ちたこともあったので、貪欲にまとめておこうというのが今日のミッションです。
私に与えられたのは2コマ、森林におけるきのこ(問9)と土壌と物質循環(問10)の範囲でした。昨年度は生態系もあってもうぐちゃぐちゃだったので、2コマに絞れて助かりました。おかげですっかりきのこの人っぽくなりましたね。
森林においてきのこの役割は分解で、それのおかげも大きく効いて、土壌形成が進んでいきます。
どちらも土の下の見えにくい世界ですが、森林を支えてくれるものへのイメージを強く持つと、森の案内人となったときに大きな話ができる人になります。
現場で求められるのはきのこマイスターのような人で、どの時期にどの森にどんなキノコがあって、どう食べるかまで熟知している人に人気が集まります。それなのに森林インストラクターに必要な知識はそういうことではなく、きのこの生態であり、土壌分類を学んでいて、なんなら記述もできることなのです。
現場と実践はわりと遠いのですが、必要な知識を幅広く理解できているとされるから、信頼されることにつながります。
きのこは落ち葉や枝、倒木などを時間をかけて分解していく役割があります。また、木の根とつながってその木を守る役目もあります。どんな地形にどんな木があるかによっても違ったきのこが育ち、食べられるものも毒もありますが、大きな役割としては森を掃除することなのです。
そうして食物遺骸や動物遺骸などの分解をきのこなどの様々な微生物が担ってくれることで、地上にあったものが土になっていきます。
温度や湿度、光や分解物の多少によってスピードは異なりますし、土壌の分類も様々ですが、いずれ全ては栄養を蓄えた土になり、また地上を養っていく大きな流れがあります。
1センチの土壌が形成されるのに必要な時間は100年ほど。そう聞くと、自分が立つ地面が、掘ってみて触れる土が、途方もない歴史を孕んでいるイメージを持つことに繋がりませんか。
保水力のある豊かな森林は国土の災害防止機能も備えています。その話はまた違う分野になりますが、土壌の話が印象に残っていて次の分野の橋渡しにもなればいいなぁと、欲張りに伝える言葉を練りました。
森林インストラクターの試験勉強をしている方々が、一所懸命森林や林業などの勉強をしてよかったなぁと心から思う未来につながればとても嬉しいです。そうしていろいろなタイプのインストラクターとして森のことを人々に伝えていけたらいいです。
森の案内は全世代対象ですし、いろんな分野に詳しい方も多いので、専門用語も知りながら、知らない人にもわかりやすくガイドする。年齢や社会的立場にとらわれず、森林が人々にとっての癒しと学びの場であるように尽力し、豊かな時を提供する役割を担います。そのための勉強に少しでも協力できたかな。
テキストと並行して読んでみると良い本は、入門といいながら、勉強になること満載なこちら
本格的にきのこにハマる人にはこちらですね。こんな本を出せる人がいるのだからすごいものです。
森林インストラクターとして問われることではありませんが、興味があったら知りたくなりますね。
この筆者らも素敵な人生を送っていそうです。こんな領域にいる人も居るのだなぁと想像して満足する私は、どうしてもやはりインドア派なのですね。
土壌に関しても講義が終わって気持ちに余裕ができてきたらこんなのも読みたくなります。
難しそうだから投げ出す確率もすごく高いけど、森を支えている地中のことを深く話せる人にはなっておきたいです。
学生時代から森林に興味関心のあった人にはスラスラわかっている話なのかな。つくづくうらやましいけれど、それぞれがたどってきた道があり、自分にベストな道なのです。
五億年という途方もない時間軸
林業家さんたちの数十年単位の時間軸になんと豊かなことかと驚いたものですが、土に深く関わる人はもっともっと悠久です。
堂々と森の先生となって、特に子どもたちに森のフカフカの土を触って、大きなものを感じてみてほしいなぁという想いが熱を帯びてきました。めまぐるしい時代でも大地はそこにあることを知ってほしい。ぶっ壊されてぶっ壊されてぶっ壊されて混ざり合って融合して、命を受け止める土がすぐそこにあることを感じてほしいです。
結局は精神論に寄っていきそうですね。
それこそが私の果たす役割なのかもしれません。
もしこんな話を聞いてみたい方ありましたら、挑戦の機会を頂けますととても嬉しいです。何がどうつながっていくのかわからないのが面白い人生なので、あちこちにチャンスの扉を置いておきますよ。きのこにもそれぞれの確かな役割があるように、私にもきっと人や森が巡る中での役割があるはずなのですからね。今までやってきたこと、アンテナを張ってきたこと、なんだか直観があったことが重層的につながって一つの道になっていく。そんなきっかけの一つになる予感がなんだかあるんですね。