勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

演習林で感じたいろいろ

香肌小学校の高学年林業体験のときに、三重大の演習林で行われる公開講座の案内をしてもらいました。

小学校4年~6年対象で先着順、天然林や人工林を津市の山奥にある演習林で学ぶ素敵な講座です。

夏休みに200年以上残されている研究用の森林を解説付きで歩けるなんてすごい機会なのですが、応募殺到とはならないのが三重県の素敵なゆったり感でしょうか。

hirakura.sakura.ne.jp

保護者付き添い可ということで、むしろ母の興味に小5の息子が付き合わされ、小2の娘も付き合ってくれたという流れで8月1日、津市の美杉町まで出かけてきました。

飯南町から細い峠道を超えていくのは運転のヘボイ私にはなかなかの冒険でしたが、思わぬところで道の開拓と自信を付ける機会にも恵まれました。そこの道を通れたらまた行動範囲が広がりそうで、挑戦してみたかったのです。

 

美杉町をどんどん山奥へ。飯高町にある三峰山とつながっている演習林は、雲出川源流にあるさっぱりとした場所なのでした。雲出川は津市を流れる大きな川で、演習林から河口付近の三重大までわかりやすく川がつながっています。

ここの演習林は大学の附帯施設として、学生たちや教員の様々な実習や研究が行われているそうで、きれいな宿舎は40人ほども泊まれるのだとか。生物学を学ぶことにした学生はみんな泊まり込みで森林と共にいれるのですね。今更なんだかうらやましくて仕方ありません。私、どうして人文学にしか興味がなかったのかしら。

まあ高校生の頃に生物学や林業のことにめちゃくちゃ興味があったわけではないですし、前提知識のないところにこんなことすると言われてもピンときやしなかったとは思いますけど、過去に声が届くなら言ってあげたいです。森林を学んでおけよーって。

・森林気象観測

・長伐期用材林施業に関する研究

・ヒノキ人工林の土壌侵食量観測

上記などなどを調査して研究に活かしていると、今なら興味津々です。

森林育成や枝打ちの実習もできる場所だからこそ、映画の舞台にもなったのですしね。

WOOD JOB! ウッジョブ!映画公開記念特集 | 火の谷温泉 美杉リゾート | ホテルアネックス ファイヤーバレイコテージ | 三重県津市の大自然総合リゾート

全体の案内をしてくれたナビゲーターの先生と、専門的な話もしてくれた先生がおられ、他にもこの演習林で日々作業をされている方(実は近所の方も居られます)など片手で足りない案内人の人たちから子供たちはいろいろな話を聞くことができました。

 

山の神のこと

アマゴ池の条件

ナラ枯れをおこす虫の話

四季折々の演習林のこと

この辺りをクイズ形式で学ばせてもらい、午後は森歩きをして、鹿の害や土壌浸食など現場の話を聞きました。

江戸時代から保たれている天然林の主な樹種はモミやツガで、見分け方や用途の違いなど現地で聞かなきゃなかなか身に付かないことを小出しで教えてもらいました。

森林生態系や林業、それに土壌や防災など研究内容は多岐に渡り、豊かな森を守りながら健康な状態に保っていくことの大きな意義を感じました。でもそれは森林インストラクターの勉強を散々してきたばかりの私の感想であって、ぽっと訪れた子供たちが感じたことではないのですけどね。

アマゴがすくえなかったとかノコギリクワガタが居て嬉しかったとか、息子の原動力はもっと生々しい所から。それでも先生の話を聞いて、問題には即座に答えていたので学校で学んできたことや日々森に囲まれて暮らしていることは彼の中でしっくりきているのだと感心しましたけどね。末娘は健脚で山を歩く様子がきびきびしていました。森に入る機会の多い小さな子は、こちらが頭でっかちに考えるよりよほど多くのことを森から感じていそうです。

演習林の様子は少しずつYouTubeでも紹介されるようになっています。


www.youtube.com👍

森が作る豊かな生態系は研究のためとして貴重なだけでなく、経済活動にもつながるし、水や国土を守っている。子供たちに伝え続けていかなきゃならない森林の大きな価値を感じることはできたでしょうか。

土を知り、水の流れを知っていると、無茶な開発により災害を出してしまうこともないはずなのですが、苦難する人々がいるとすれば実習不足なのでしょうか。森を歩くだけで防災学習十分でもありませんが、土砂災害の跡を見て、森林の再生力を感じ、土や岩盤の話を学び、さて若い心には何かしら残るものがあったかな。

 

演習林は講座がなくても個人的に申し込んで訪れることができるそうです。森林教育の機会を持つことができるのか、裏山整備の方が現実的なのか。どんな人にどんなことを伝えていきたいのか、そろそろ筋道を描いて照らしていきたいですね。