勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

工作機械を身近にという稀な体験

友達が声をかけて誘ってくれたというただただラッキーなご縁で(きっとそれだけではないのでしょうがよくわからないことはただラッキーにして感謝しておきます)、

世界有数の工作機械工場を家族そろって見学させてもらうことができました。

亀成園からは1時間45分、同じ三重県内にありますが伊賀はなかなか行く機会のないところなので、新鮮な道中でもありました。

 

元製造業のお父ちゃんには興味津々もいいところの工場ですが、普通に素人の私と農園の子どもたちにとっては「工作機械って何?」のスタートなのですが、話があったときにみんななんだか行きたい気持ちが一致しました。多少の予習をして、当日はわかりやすく説明してもらい、いつもは縁のない沢山の仕事が少し近くなった有難い機会となりました。

工作機械の写真はACよりフリー素材を。ロボットはイメージ素材です。

 

見学ツアーをアテンドしてくれた方々のために、先に家族それぞれの端的な感想を述べておきます。ここだけでも見て楽しんでもらえたら嬉しいですよ。

 

小2のきびきび末娘の場合

①人と一緒に働くロボットがいいと思った

②金属の布が面白かった

③バランスバード欲しいから工夫して作ってみたい

最後らへんに見たものの印象が強くて子供らしいです。

小5のお調子者な息子の場合

①食堂のご飯がおいしかった

②水で洗う機械がすごかった

③おやつがおいしかった

彼は何をしに行ったんだww

どこに出しても恥ずかしい息子ですが後伸びするかしら。

 

中1の一番芸術肌な娘の場合

①オフィスの広々して統一された机のデザインがよかった

②飾られてた青い絵が気に入った

③金属の作品が美しかった

見ているポイントがとてもいい感じに偏ってました。

こういう人物が将来デザイン系の仕事を担うのでしょうか。

 

中3の論理的な娘は

①日本にもっとたくさんの工場があるかなと思っていたけれど、三重県にあるのが大きくて重要拠点ということが印象的だった

②男性社員ばかりかなと思いながら見学していると、フロアのあるところには女性がたくさんいて活躍されていることがわかった

③食堂のメニューがよく考えられているなと感心した

どこから目線の視察やねん。

ぜひ現地でもっと感想を述べてほしかったですね。

 

もと製造業の父の感想

技術や製品そのものにももちろん興味関心フンスフンス(擬音です)ですが

「人と共に働くソフトなロボット」に衝撃を受けたのだとか。

ロボットはこき使ってなんぼだった社畜精神の見直しが行われたそうです。

 

またQRコードなどを用いての現場管理システムも自分の時代とは格段に進化していて面白かったと。他にもいろいろ語っておりましたが、ゴメン、耳から耳に抜けました。

 

私の端的な感想

①働いている人の様子に余裕がありそうで良い雰囲気だった。

②工場全体の風通しがよかった。物の置き方の工夫に手を打った。

③デカい機械と小さな作品とのギャップが面白かった。

いちおう社会人経験もある身からすると、現場で働く人の様子は大きな関心毎です。お客様がいても慣れっこで淡々とご自身の作業をこなされ、それぞれが独立した仕事に邁進しているという雰囲気が出せるのは全体の人材管理がうまくいっているからなんだろなぁと感じました。

あとどうでもいい感想としては「図書コーナーに私が読む本がない!」というのもね。工学と経済学に埋め尽くされた書棚の新鮮だったこと。

あまりにも畑違いなのに楽しい日になったのは、工場案内が洗練されていたからに他ならないんだなと納得します。

 

そんなかんじにお世話になった工場のある会社はこちら↓

www.dmgmori.co.jp

 

ちなみに工作機械って何かをまとめてあった記事はこんなのもありました。

DMG MORIで扱っているものばかりでもないですが、一般的な話として興味があれば一読すると世界が広がります。というほど文系のサービス業の農園暮らしの人には一見縁がないですからね。

工作機械とは|誰でもわかる!工作機械を徹底解説

 

自動車部品にも航空機にも最先端医療機器にも日進月歩の技術は使われていて、削るだの形を変えるだの磨くだの「工作」を高めて高めて圧倒的なモノづくりを実践しています。

また特徴的なのは、商品納品からが顧客との付き合いということで、メンテナンスやアフターサービス、またお客様の研修などがメーカーの底力であることです。知識と技能のある相談窓口で毎日20時間の電話対応を可能にしているソフト面の充実に驚きました。

 

また、末娘が気に入ったロボットはロボットアームと呼ばれるもので、金属をつかんで動かしたり移動したりとプログラミングに従ってお仕事をするのですが、見た目も柔らかく、人にぶつかって事故をすることなどないような制御システムが組み込まれているそうで、安全に協働することができます。そして自己充電するらしく、行動時間もたっぷりで疲れ知らずの優秀なロボットです。人とロボットが一緒に働くことに抵抗のある人も多いそうですが、白基調の優しい色合いや滑らかなアームの動きなどに触れると、当たり前に協働する社会はもうきているのだと納得することができました。技術も暮らし方も結局は人のイメージから現実化していくので、子どもたちと一緒にロボットに温かいイメージが持てたことはなんだか驚くほどありがたい体験なのでした。

体力にも根性にも自信のない私は将来も無駄に生きているだけの人になっていくのでしょうが、お世話ロボットと一緒であれば楽しく歳を取っていけそうです。大きな荷物を運ぶにも、模様替えをするにも、細かい掃除をするにも、ソフトなロボットはきっと助けになってくれます。子どもたちがお母ちゃんに最適なプログラムを入れておいてくれればお互い安心して暮らしていけそうですね。蛇足ですが工作機械が未来の安心につながる端的なイメージはきっと多くの人に必要とされるものです。

ロボットとどう付き合っていくかは人の生き方次第

ざっくりですが、工場見学の感想徒然でした。

息子イチオシの食堂でも野菜たっぷりでボリュームありながらヘルシーご飯をしっかりいただくことになりました。伊賀ゆかりの人物という事で食堂には芭蕉の名がついておりましたよ。

「五月雨の 降り残してや 光堂」

今残しておきたくなったのは、この句です。

変わらぬ美しい物大事な物を環境が変わろうともつなぎ残していく。

大きな仕事を引き受け、時代の変化に適応しながら前向きに会社を育てていくことに通じる古人からのメッセージですね。

 

夏休みに貴重な体験をありがとうございました。今後も個人的に工作機械を注文する人生になりそうにはありませんが、興味深く応援しております。飯高町にいるだけでは触れられない働き方を示してもらった体験は、子どもたちの引き出しに活き活きとしまわれるかな。現在建設中の奈良にできる事業所は木材を用いたかっこいい建物になるとのことで、それもまた楽しみにしています。大きな会社は社会のいろんなとこにつながっていて、機械と人の優しい未来だけでもなく、森林や農ともなんらかつながっているのです。うん、もう頭がパンパンですね。じっくり自分に浸透させていきます。

ACイラストさんから松尾芭蕉