勤勉なお父ちゃんに比べて有閑過ぎる私の傾向で、暮らしのエアポケットのような記事ばかり書いてしまいますが、今回は真面目に畑仕事の様子です。亀成園は農園なのですよ。
自然農法という、農薬なし除草剤なし化学肥料なし、耕すこともほぼなしの農法を目指して畑に取り組んで三年目になります。なしが多いから楽チンかと思いきやこれがなかなか難しいものです。とにかくふかふかの土が命なので、ちっとも土ができていなかった初年度は実るはずもなく、三年経ってもまだまだ新米の野良生活ですが、畑の土がずいぶん柔らかく黒くなってきたことを実感します。見たとこらほぼ原っぱで、どこに作物があるのか私もよく見ないとわからないことしばしばですが、時々うまく育つものもあり、土の栄養そのままの味わいです。化学肥料はなしですが、刈った草を敷いたり米ぬかや堆肥は少し足したりするので、じっくりと土が肥えていくのを見守っています。まだまだ生長がそろわなかったり、虫に食われまくることのほうが多いくらいですが、だんだん増えていく収穫は単純に嬉しくて、草むらから発見する野菜たちが可愛らしくて、ここはなんていい場所なんだとやりがいがありますよ。
6月初旬現在、ほとんどの夏野菜の定植が終わり、昨日はニンニクの収穫でした。すっくと伸びた芽の下で育った白い大切な塊を、百個くらいすっぽすっぽと抜いていくのは楽しい作業でした。
抜きたてのニンニクは土が付いて、赤くなった皮も付いていますが、一皮むいてから天日干しにして、吊るして保存します。汚れていたようなニンニクを一皮むくとツルツル真っ白な皮が出てきました。お肌手入れを怠りがちな身には妬ましいくらいの真っ白さ。あやかって一皮むきたくなりますね。人にとっては大手術がこんなにあっさりです。
青森産の立派なニンニクに比べればちんまりとした亀成園のニンニクですが、おしゃれ料理に使いきるにはこのくらいが良いサイズでないでしょうか。生で刻んでオイルに漬けて、香り抜群のガーリックオイルを作りたい気持ちを高ぶらせながら、せっせと一皮むきをこなしましたよ。
せっかくなので、現在の畑の主を紹介します。明らかに他の小さな苗を圧倒してドーンとそびえ立つこれは何でしょう。
なんとこぼれ種から勝手に生えてきたゴボウなのです。あまりに立派だから、次の種取り用に残しているとこんなにどんどん育ってしまいました。まだ花は咲かず種もつけず、どこまで大きくなるのかしら。無駄なスペースではありますが、強く育つ様子を見るのは好ましく、もう少し呑気にそびえ立っていてもらいます。そのうち骨太の子孫を溢れるように残してくれるかな。野良の喜びはゆったり豊穣に尽きますね。