どんな年でも春は来る。今年は公私共にあんまり非日常事態が重なって、春を愛でる気持ちなんて湧いてこないんじゃないかとちょっぴり心配でしたが、なんのなんのあっさりウキウキ春探ししています。
鳥がやかましくなったのを皮切りに、空気が日に日に緩んできて、虫が動き、カエルも鳴き出し、川面がキラキラ光ってきました。それからやっと怒涛の花咲き合戦です。
梅が散ったと惜しむ間もなくもう桜。今年はなにせ早い早い。雪柳もサンシュユもモモも美しい枝を垂らしています。
ああ、やっぱり春はいい、とうなづくと、足元も騒がしい芽吹きでいっぱいです。小さなスミレ、冬を耐えたタンポポ、また会えたなと見つめてしまいます。それから野草の類が目についたらもう大変。
ツクシ、ヨモギ、ノビルにフキ。タラノメやワラビのアンテナ張って、もう家にじっとしていられません。
野草を食べても手間の割に腹は膨れません。けれど安心して野草を食べられる環境はとてもとても恵まれたことだと思うのです。あちこちに野草を散りばめた食卓はその日が幸せだった証です。小さなことに時間をかけられなかった日もありますが、忙しさに埋まらないようにはしたいです。なにせ今は春の始め。寒い間縮こまっていた身体を伸ばすためにも、野山に出て発見に喜びたいですね。