早朝、珍しく犬が吠える声が続きました。
番犬なので侵入者(動物)に対して吠えることは時々ありますが
声の位置が変わらないのが不自然でした。
タヌキやイタチなどは吠えられたらとりあえず逃げるので、吠え声の向きは変わっていくのですが
めっちゃ家の近くに向かって少しおびえたように吠え続けるので
これはやばいなと思って犬のところに行く勝手口の扉を開けました。
いやぁー!マムシ!
そして開けた扉から中に入ってきた!
中といってもそこは半分外でトタン屋根をかぶせたくらいのスペースです。
すぐに外に抜け放題なので、住居に侵入まではいきませんが
そりゃ、そりゃ、ぞわっとするしー!!
来ないでー、でも逃げ込まないでー、潜まないでー!
アシナガバチもハエ叩きでぴしゃっとやっつける私ですが
ムカデくらいへっちゃらなたくましさがありますが
蛇は!蛇は!どうも怖い。
そしてマムシは毒蛇です。
それも土用の時期は最も危険だといいます。
で、早朝はびびりまくってとりあえず逃がしてしまいました。
もう犬も私もビクビクです。
大黒柱の園主は一日中出かける用事があって、子供たちも登校しました。
とりあえず犬がいる周辺の草刈りをして、潜み場を少なくしておこう。
石垣の隙間とか隠れ場所は無限にある環境だけど、もう少しすっきりさせる必要はある。見通しがよくなればビクビクもおさまるかもしれない。
そう思って草刈り機を探しましたが、見当たりません。
うーん、とりあえず手鎌でできることをしよう。
そう思って、長ズボンと長靴で防御をし、草苅鎌を構えて犬小屋周辺に向かいましたところ
きゃぁ!あっという間に遭遇!
朝から二度目のマムシとの遭遇に決断を迫られました。
正直、蛇をやっつけるのはいけないことだと思っています。
畏怖があるので、どうぞお静かにお暮し下さいと思っています。
蛇や毒蛇がいるという緊張感が暮らしのそばにあるのは結構大事なことだとも思っています。
けれど、土用のマムシはダメです。
噛みつきやすい、そして子を孕んでいることが多いというのですから。
負けるわけにはいきませんでした。
さて、どうするか、咄嗟に浮かんだ3択は
→1.怖いから逃げる
→2.110番する(ビビりな息子のアドバイス)
→3.立ち向かう
正直逃げまくっていたいのですが
愛犬と子供たちを守るため、母は3を選択しました。
そしてその時構えていた草刈鎌を
もう、めったくそに振り下ろし、ヒットヒットヒット!
頭を狙い、腹にもダメージを与えて、絶対に逃がさない気合を入れて
滅多打ち!
もう動かないというところまで暴れさせていただいた後
つかんで川に葬りました。南無南無。
うちにマムシが出たのは初めてではありません。
というか、まあ毎夏見かけているからすぐに見分けられたのですが。
いつもはお父ちゃんが長い鉈でゴツンとやっつけます。
隣のおじいちゃんはゴルフクラブを使って頭を狙います。
田舎の人はマムシに勝てます。
でも、私自身が直に滅多打ちにしたのは、今回が初めてでした。
(わぁ、こんなことしたの、初めて~)
怖いけれど立ち向かわなければならないのなら
子供たちと可愛い犬を守るためなら
私はもっともっともっと、強くなっていけそうです。
強くなること、にどこまで価値があるかは人それぞれだし
強さって何?かも一概には言えません。
戦わずして勝ちもしないのが一番いいわけで
優しさのない強さなんて使えるものではありません。
でも、私はずっと「強くありたい」と願ってきました。
腕力というより心鍛えて、器を大きくして、人生を高く保ちたいと切望しております。
だって、憧れるのはいつもオオカミであり猛禽類なのですから。
まっすぐに強く賢く美しい存在に向かっていくのが道なのです。
マムシを倒したから最強ってこともないですが、
自力で立ち向かえなくてどうする、との思いはずっとあったので
思いがけず急に克服することが実現しました。
やってしまったことへの悔やみみたいな気持ちも正直あります。
できれば遭遇せずにいたかったのです。
けれどもしまた遭遇したら、やっぱり「ここはダメ」と倒すことができます。
しっかり向き合って、南無三!ができます。
なんだか強くなりました。
やっとここまで積み上げてきました。
ここからはちょっと毛色の違う話になりますが
もう20年近く前のことです。
「みんなが〇〇みたいに強くないんだよ」と言われたことがあります。
当時も私は強かったわけではちっともなくて、強くなりたくて必死でした。
苦手な体力作りに取り組んで、未知との遭遇にいつも向かっていき
前向きにいろんなことにチャレンジして、必死で自分の枠を広げていました。
だってその時って20歳くらいです。
学生だったので時間に自由も効くし、どんな失敗も乗り越える若さがあることを知っていたので、挑戦しないなんて選択肢は全くありませんでした。
人生の土台を強くするんだと思って、がむしゃらに頑張っていました。
結果がどうだったのかはわかりませんが、「みんなが〇〇みたいに強くないんだよ」の意味がわからなくてぽかんとしたことは覚えています。
だって私が所属してたのは体育会の部活です。
体力知力十二分の男子がほとんどの中、劣りまくることを自覚しながら、自分にできることに精一杯取り組んでいただけなのに。
よく聞けばどうもその言葉は本人からのメッセージではなく
私に悪感情を抱きまくってしまった女性からのメッセージだったようです。
最初は頑張っていたけれど途中で気力がなくなったのか、あまり活動もしていなかった人が、私の友達にあれやこれや私への不満をぶつけていたとは思いもよりませんでした。弱さを演じて気を引いていたようです。まあそれも戦略ですね。
そして、ただ自分と向き合って今日より明日、明日よりもっと未来に強くあろうとする私の存在が、強くなれないその人を傷つけていたのだとか。
面と向かっては言われずに陰口を吹き込むという手で漏れ伝わった気の毒な想いがありました。
私はその時彼女に引っ張られた友達のことが本当に大事なので、めちゃくちゃ傷つきました。今でも恨もうと思えば恨めるほど、しょうもないことされたなと思っています。
あ、三角関係とかではちっともないですよ。こちらは純粋な仲間なので。
でも、強さを認定された私が友達を取られたことは、自然の摂理だと今では思います。
味方をしてもらわなければ生きてはいけない在り方はしておらず、マムシを退治することもできなかった20年も前に、私の強さを一番認めてくれていたのはその人かもしれないのです。
巡り巡って人生は面白いですね。
そして因果応報という言葉はまた奥の深い真実です。
私に孤立してほしかったその人の思惑は、どうもうまくいかなかったです。
もうダメージはないはずだけどずっと気にはしていたら、
最近またややこしいことが起こってしまいました。
まっすぐあろうとする私が弱い人を傷つけてしまうということが起こって
久しぶりに考察を深める機会をいただいています。
噛みつかれても痛くはないのですが、ずっとかゆくて嫌なかんじがあります。
向き合うチャンスなのだと思います。何にかはまだわからないけど。
マムシなら叩けるのに、人相手はより難しいものですね。