子供たちの通う香肌小学校で、百五銀行さんの広報部による出前授業というのが実現し、小学生が銀行の役割やSDGs活動を学ぶのを参観することができました。
百五銀行広報部さんは、これまでも地域密着とSDGs促進という考えで、三重県内の中学校や高校でも出前授業を行ってきた実績があり、慣れっこの方だったようですが、小学生向けには初の試みということで、三重テレビのニュースにも取り上げられました。
全校児童16人の香肌小学校で百五銀行が出前授業 お金の流れやSDGs学ぶ 三重・松阪市 | 三重テレビ
16人の1年生から6年生までの児童(当日は2人欠席のため14人でした)を異年齢混合で4つの班に分けて、子供たちの声をふんだんに入れながら、お金と社会について45分間の話をしてくれました。
まずは飯高町でパン屋さんを開きたいオオサンショウウオ(設定)の名前を考えました。
オウちゃん、サンちゃん、ショウくん、サンショの中からサンショが選ばれました。
それからサンショがパン屋さんを開くのに必要なものは何だろうとたくさんの意見を出しました。
パン作りを学ぶこと、資格、建物、材料、電気などエネルギー、それから信頼。
資金が足りないので銀行に相談してお金を借ります
→融資(ゆうし)
店が繁盛したら返済したり取引先に支払いをしたりします。
この時いちいち遠くまで行く余裕がないので銀行経由でお金の取引をします。
→為替(かわせ)
余剰の売り上げができたらお金を預けます。
→預金(よきん)
この太文字3つが銀行の仕事です、とわかりやすく教えてもらいました。
融資とかなかなか子供は考える機会もないけれど、お仕事をするなら考慮するんだなと社会へのつながりを教えてもらえたようです。
そして残ったお金をどう使うかをまたみんなで話し合いました。
人を雇う、趣味に使う、支店を出す、寄付するなどここでも様々な考えに触れました。
頭をそりたての六年生が「困っている人にあげる」と発表していた様は、お寺での説法のようでしたよ。
サンショ君の話の締めくくりは、また百五銀行と相談してめでたく支店を出して、これからも頑張っていきますというものでした。パチパチパチ。
それから話はSDGsへ。
百五銀行ではビーチクリーン活動や森作りなど、里山・里海を守る取り組みも積極的に行われているそうです。森がなくなると異常気象につながることもあり、経済社会も大混乱してしまう恐れがあります。森を守り、人々を守ることは実は銀行にとっても欠かせない活動であることをソフトに教えてくれました。
習ったことのおさらいを含めて児童に〇×クイズが出されました。
全問正解のみんなは1問ごとに景品をもらって大満足。
みんなの答えと違うことを言って、一人だけもらえないひねくれものは香肌小学校にはおりませんでしたね。
景品をもらうときに6年女子が「低学年から順番に」と指導していて大人たちは感心したのに、2回目からは6年男子がさっさと一番に取っていったことに気付いていた人はいたのでしょうか。お利口なだけでないところが面白かったです。
それにしても、たくさんの大人に囲まれながらも縦割り班で上手に意見を出し合って、堂々と発表し、手を挙げて学びの感想までおまかせな子供たちは、社会性の塊でしたね。大集団で培われる社会性もあれば、小規模だからこそ育まれる社会性も確かにあります。こんな学校が残ってほしいな、各市町にあって欲しいなと改めてもっと多くの人に伝えたくなりましたよ。
今回とてもお世話になった百五銀行についての貼り付けは、小学生のキーホルダーお土産にもなったペンギンキャラクターのページ。地域密着取り組みとかいろいろ書いてあり、今回の授業もそのうち載るのかな。
初めての場所で1~6年生まで入り混じっての出前授業を見学させてもらい、私も学ぶことは多かったです。
・その日に伝えたいポイントを絞れる限り絞る
・プレゼンの資料をできる限り見やすく字も大きく、1年生もわかる漢字しか使わない
・目の前の相手が考える時間をたっぷりあげる
・出た意見を尊重して共有する
・最後までゆとりを持って、時間ぴったりに終わらせる
出前授業の機会があるかどうかは未来の私しかわかりませんが、もしあったのならこんなことに気を付けて、縁のある人たちに楽しんで学んでほしいなと強く思いました。
子供たちにお金を学ぶ機会を与えてくれた県や百五銀行担当者の皆さま、ありがとうございます。金利や年金に頼れないこれからを生きる子供たちに、真っ直ぐお金の話をしていくことはすべての大人には難しいのが現実ですが、共に明るい未来を過ごしていくために、一緒に学んで考えていきたいですね。
仕事が多様化している時代だからこそ、仕事には可能性がいっぱいです。
伸び伸びと学び、自然の豊かさを知り尽くしている香肌っ子たちがどんなお金との付き合い方をしていくのか、学校だけでなく行政も銀行もきっと見守っていてくれますね。