あまりに心奪われるものには近寄らないでおこうという君子精神と、心のままにかき乱されても構わないという芸術家魂の狭間で固まってしまうのが、この厄介な桜の季節というやつです。
なにせもう、圧倒されるのですから。
今日は完璧な青空で、私が撮った写真でも既に映画のように見えてしまいます。
(映画関係者の皆様、平にご容赦ください。なにせこの季節は錯乱しがちです)
一斉に咲くなんて、なんだかずるいです。絶対に見逃している木がいくつもあることがわかって、悔しいやら申し訳ないやら。でも目の前の華やかさに夢中なのです。
普段は何を見ても、見たものを言葉に捉え直さなければ気が済まない私ですが、翻弄されるがまま過ぎ去るのを待つしかないのです。ウロウロして素材だけは集めながら、なんにも思考は進まないのです。
だってもう、ね。
週末は近くのとっておきの桜スポットに出かけます。そわそわして何も手につかないことがないように、自戒して自戒してここ数日をやり過ごさなくてはいけません。でもとりあえず今日は完璧な散歩タイムでした。こんな日に有閑でいられたことはなんと強運だったのでしょう。
今年はいつもに増して運が強い気がします。何についてかはまたそのうちに。