勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

喪失と向き合うエネルギー

天晴れな夏日が続いています。

吸い込まれそうな青空。

吸い上げられてしまいそうな大きな空。

こんな空をさわやかな気持ちで見上げられる時と

恨めしい気持ちが隠せない時がどうしてもあります。

 

最近、仲間を一人失ってしまいました。

お互い応援し合っていて、ずっと一緒に歳を重ねて笑い合っていたかった、大好きな仲間を。

 

二年前の春に学生時代の仲間を失ったことがやたらによぎっていたら

身近なところでも喪失があり、少し茫然としました。

 

なかなか会えないけれど時々夢には出てきてくれてたのです。だからもうすぐ会えるかなと楽しみにしていたのです。

先延ばしにせずさっさと会いに行けばよかったのか

それともメッセージはあって、もう十分受け止められたのか。

まだぐるぐるとしています。

 

人生駆け巡っていた人です。

仲間うちだけでなくもっと広く人の間を駆けて

表現を惜しまない人でした。

パワーを与えて与えて、時々プシューっと抜けて、また駆け抜けて。

 

よく頑張ったなぁとほとほと感心すると共に

適当に手を抜いていいからもっと永くさぁとの憤りでいっぱいになりそうになり

あー、心が痛い痛い。

 

みんながそんな思いを抱いているから

今この地域はしょんぼりしています。

人一人の影響ってなんて大きいんだと

楽しかったなぁって気持ちがどれだけ大切なんだと

ありがとうなんて今は言いたかないけど、やっぱり

あなたに会えてとんでもなくよかったって

導いてくれた何か大きなものには

感謝しかないです。

 

 

「大好きな飯高の魅力をどこにでも発信して、ここの地域の人口を2倍にしたい」って言ってたから

残された者は大変ですよ。

託されるには申し分ない夢だけど

残していくなぁって吠えたくなります。

自分でやりきろうよ、残していくなよ、どうしたらいいんだよーって。

 

 

まだ数えるほどしか経験していないですが、大事な友達や恩人を見送ると焦ります。

ヤバいなぁ、頑張れてないなぁと思うわけです。

まだこれじゃ恥ずかしいなぁって。まだそっちいけんなぁって。

一緒にいられなくなったことを彼らが本気で悔しがるほど

頑張って現生を磨かないでは、恨み言が出てしまいそうなのですから。

 

胸張って再会するために、できることは何だろう。

もっと大きな何者かになって

先にあがっちゃった人たちをびっくりさせなければ

残された者としてはやりきれない。

 

と思いつつ、喪失感というのはやはり大きくて

なんだかぼんやりして集中力欠いてしまうのが正直なところ。

だいぶ引きずられます。

切り替え上手にはなれないです。

仕方ないです。大切な人なんだから。

ありがたいなぁ、本当に。

 

つながっていると思うんです。

いろんな思いを受け止めています。

私にできることは前向きに言語化することだけで

まだ不十分でもがいていて悔しくて

なんでもネタにするのはどうかという疑いもあるけれど

失った大事な人たちは共通して、私の言葉を受け止めてくれました。

そこを認めてもらっていたのだから

私のエネルギーはどうしたって言葉にしてやりたいです。

 

歌うとか、描くとか、作り上げるとか、つなげるとか

人にはいろいろな強みがあり武器があります。

戦うために使うのではなく、自分が生きるために使う武器があるはずです。

目の前のことに必死になっていれば「なぜ生きているのか」なんて考えなくて済むのに、何の因果か暗闇にはまってしまったら、そこから抜け出すためには自分と闘わなくちゃいけません。

 

呑気に息してるだけではなんだかやりきれない。

精一杯生きたいです。

人生は楽しむためにあって、明るいエネルギーの連鎖があることを信じていますが

喪失と向き合うエネルギーには強さが要る気がします。

けれど、向き合えるからこそきっと、こんな巡り合わせになったのです。

ちょっと言い過ぎかもしれませんね。

向き合えねーよーっと投げ出したくなります、もちろん。

でもどうしたって向き合ってしまうのだから、仕方ない。

 

残してくれたものがたくさんあります。

笑い声、きれいな歌声、目の前の人を認めること、おいしいものに包まれること、

一所懸命駆けること、自分にできることをかっこつけずにすること、

わぁ、いっぱいあってめまいがします。

ラクラしてまた憤りがきて、拳握ってぐちゃっとなります。

でも素敵な愛をもみ消したくはありません。

笑って、自分にできることを粛々と。

そして、「地域を元気にする」夢を、分け合いたいです。

 

人の数だけ思いはあって、落としどころがなかなか見つからないのが当たり前。

学生時代の最高の仲間を失ってから、他の仲間に会ってもなかなか話ができません。

みんな話したくてたまらないのにつっかえてしまっています。

偲び方なんて、誰に習ったこともないですからね。

ほんと、大事なことほど教わってきてないことに大人になってから気付きます。

 

そろそろ〆に入ります。

地域の宝物が一つ消えてしまって、未来を照らす光が不足しています。

けれど残してくれたものがすごくすごく多いので

残された者たちが光を補っていかなくちゃいけません。

誰にも何も責任はないけれど、また一緒に笑うためにね。

ほんと、困ったことになりました。

それでも伝えたい言葉は恨み言ではなくて

 

しっかり見てろよ、こん畜生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

眩しく青い空に響いたかな。