豊かな大地と清流と共に、家族が支え合って暮らしていくための場所としてここにたどり着いたわけで、そこから試行錯誤すったもんだあれやこれやと楽園つくりに向かって一歩一歩重ねている途中です。
縁やゆかりがあったわけではない土地だったのですが、暮らしてみると予想していなかった様々なことに出くわすことになり、楽しさがふくらみます。
私はどうしたって、言葉と感性が結びつくことを得意としています。だから新しい土地に来てからなんとかかんとか暮らせるようになってから、コミュニケーションによって生きた言葉にたくさん出会えるのが嬉しいです。初めは慣れなかった言葉もありますが、松阪の言葉は関西弁に近いので抵抗なく理解できる言葉がほとんどです。表情に出やすいこともあって、私がポカンとしていると解説してくれる優しい人々のおかげで、水になじむように言葉になじんできました。ちょっとわからないのがピカピカと聞こえてくるので、それらを理解するようにすれば、もう相当馴染むことができます。ネイティブのような発音はできないのはどんな言葉もそうですが、多分きっと違和感なく話せるくらいにはなりました。外国語だとそうもいかず苦労しまくっていたので余計に心地よいですね。とりあえずのところは。
お世話になっている松阪の言葉ってどんなものか?
まとめたページがあったので貼っておきますね。
あかん、とか、○○せな、とか、おおきになんかもう大阪弁ですし、
京都弁でもよく出るなというのもあり、昔からの交流が盛んだったことがうかがい知れますね。松阪は商人の町ということもあって、大阪の町言葉に近いものも多く残っているのでしょう。大阪弁も奥深くて大好きです。
慣れるのに時間がかかったけど本当によく聞いた言葉のひとつが
「えらい」です。
大変だとかしんどいとかの意味で
暑い時も「えらいえらい」
物を運ぶのも「えらいえらい」
子供を育てるのももちろん「えらいえらい」
ネイティブには「しんどいわぁ」という意味ですが
非ネイティブにはわかっていても褒められている気もします。暑くてなんで褒められんねんという突っ込みを除けば、ちょっと力を出せば「えらい」のだから、前向きにとらえられるようになると得かもしれません。人も犬も花も、褒められるのは好きです。
子供たちの小学校の運動会で、準備体操にはラジオ体操を用いて、大人も一緒に身体を動かすのですが、この時の音源も近年は松阪弁バージョンになりました。
最近いろいろな方言版が出ておりますが、ここでも合いの手で褒められることが多いです。大阪弁でも英語でも。素直に調子乗って頑張れます。
方言好きという特質はどの程度の人に備わっているのでしょうか。活字になるにしても、地の言葉を残したものが読みやすく心地よいです。イントネーションが合っているかは別にしても、そこにはテンポのいいやり取りが感じられるからです。
しばらく旅をしていませんが、これからまた各地へ出ていく機会があるのなら、ぽんぽんと地の言葉が出る人に会っていきたいです。先日自分の行きたいところを時間制限の中でリストアップする機会がありましたが、国外も国外も見事なまでに島を挙げている自分がいました。島って言葉が独特そうですね。いつの機会になるのかわかりませんが「えらいけど楽しい」旅をしていきたいです。
方言と言えば思い出した本を一つ
私が読んだのは単行本で、お目めぱっちりのイラストはついておりませんでしたが、内容は同じですね。本筋とは無関係に各地の方言が散りばめられた、なんだか印象的な話です。
ずいぶん松阪弁に慣れて来たようですが、ところがどっこい、やはり地域ごとの特色はあるらしく、松阪市の飯高町の中の集落ごとでもニュアンスの違いはあるらしいです。気質の違いが言葉にも表れるのか、よく聞いてみると確かにということもあり、まあなんて奥の深い。
地域の文化的挑戦の一貫として、おじいちゃんおばあちゃんへの聞き書きというものをする機会がありました。なるべく地の言葉で話してもらったのを文字おこしして残すという、えらい大役の一人になり、地元言葉満載のエピソードを書きました。文字から湧きたち起こる雰囲気が伝わればいいな。その話はまた次回。