勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

イヌワシに出会おう!

毎年新年朔日に抱負を10個ほど掲げるということを何年も続けておりましたが、今年は欲が少なくなったのかあり過ぎるのか、細かい目標設定ができませんでした。いつもは10か20のうちまあ4つくらい実現できたら素晴らしいわと思ってどんどんあげるのですが、なんだか今年はそうじゃない感がしました。ぼんやりと沢山がしっくりこなかったのです。そして代わりにどどんと大きな野望を3つ掲げました。

 

1.仕事のステージを3ランク上げる

2.家族のことについて何の心配もしない

3.イヌワシに出会う!

 

パッと見ると意味不明ですね。今の仕事状態がどこのランクかもわからないし、家庭放棄の雰囲気もあるし、突然イヌワシ? けれど私の中ではものすごく濃密に結びついているのです。目標の何もかも。

 

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 今年、一番下の娘が小学生に上がります。4番目なのでもうほとんどお世話というようなものはしておりませんが、それでも保育園時代と小学校時代では親の意識は違います。幼くて手をかけてあげなくてはいけない存在から、社会の一員として見守るべき存在に変わっていきます。大変化ですね。まだ幼さをたっぷり残す愛息子も10歳になり、手放せそうもないけれど手放すことを現実に落とし込んでいく時期です。もうそろそろ本当に。上の娘たちは小学六年生と中学二年生になります。親のサポートはめちゃくちゃ必要だけど、自分のことは自分でできるほど立派に育っているので、いつも大きな関心を向けていなくていいです。むしろ少し離れて大きく見守っていることが一番大事な時期です。

 つまり、子育ての在り方がもはや今までとは全然違ってくるというのが今年の現実です。勿論急に大変化するわけではなくて今までの延長上なのですが、「思えば遠くへきたものだ」を実感するようになりました。

 もう、どの子のトイレの心配もしていません。

 着替え手伝ってもいません。

 好き嫌いで悩んだりしていません。

 持ち物とか忘れものとか、まあ大体自分でできるよねと思っています。

 

日頃のお行儀やだらしない行動を注意叱責したり、片付けなさいとかいい加減にしなさいと短く雷を落としたり、忘れ物を届けたり先生に謝ったりといった細々とした母の役割は続けているものの、ずっと注視していることはなくなりました。別に私が見張っていなくても好きに生きているということを信頼できるようになりました。生き方を完全に信用するところまではいっておらず、まだまだ軌道修正を手伝ってやる必要はあると思いますが(特に息子)、それもまた本人が選ぶものかなと思う自分もいます。あれ、愛情足りてないのかな。でも、今まで以上に丸ごと愛しています。

だから今の私の役割は、子供を通して発揮する類のものではなく、社会と大きく関わるものに変わっていくのだなと深く実感したのです。シフトチェンジですが、とても大きな変化になります。

 

だから目標1が出てきます。今まで私の仕事レベルは我ながらとても低かったことをよく知っているので、この機に思い切って上がってしまおうと決めました。具体的にどんな仕事で日々何をするのかまだ決め切っていませんが、とにかく仕事は延長線上ではなく新しいチャレンジと責任で上がっていきます。

 

目標2は1を踏まえた上で、自分のことに集中して心乱さないためにも、家族を全面的に信頼すると決めました。お互いの日常は支え合いながらも自由でいいのです。そのための土台を今まで築いてきたのです。私がいなきゃ何もできない家族ではないのです。そしてもし個々のメンバーに何か問題やぐらつきがあったらその予兆は絶対に察知できます。その点では自分を全面的に信頼しています。だから日々は安心して心乱さずそれぞれのやりたいことに集中できるって、決めました。

 

そして大きな野望は3のイヌワシに出会う、です。

 

 生きている間に一度くらいお目にかかれたら人生最高だなとずっと思っていました。大空を飛ぶ圧倒的な存在。海でのオルカジャンプと草原でのチーターの狩、そして山の上でのイヌワシの飛翔。動物好きとして生まれ育ってきたからには、生きているうちにそんなものに出会いたい。でもそれは大きな夢みたいな夢で、実現したら人生に満足しすぎてしまうから直ぐに追い求めなくてもいい。いつかの時をめちゃくちゃわくわくしているのが幸せな時間。いつか叶えたいけれど大それた夢。ずっとそう思ってきました。

今も気持ちとしてはそうなのですが、いつかではなく今でなくてはいけない事情があるのです。飯高地域で風力発電計画が進められてしまうのか、自然保護の流れが強くなるのか、今年大きく動くのです。そしてその鍵となれるのがイヌワシの存在であるらしいのですよ。日本自然保護協会の方に教えられました。だからもう、腹を括らなくてはいけませんね。イヌワシに出会います。そして素晴らしい自然環境を守ります。

野鳥の会に入会してまだ2年目です。猛禽類の中でサシバノスリ、ミサゴは見たものの、まだクマタカにも会えていないのにいきなり超大御所のイヌワシ狙いとは、図々しいにもほどがあるなと自分でもあきれちまいます。でも誰かが強く願わなければ夢みたいな出会いは叶いません。撮影などはもちろんベテラン野鳥の会の方や屈強なカメラマンたちにお願いしなくちゃいけませんが、存在としての交流はきっと私にも可能なのです。なにせ生息可能性領域に近いところに住む生き物好きなのですから。アドバンテージは十分です。後は行動あるのみ。そう、今年は今までよりもっともっと行動する年になります。生き物との出会いも素晴らしい人々との出会いも、私が行動することで実現していきます。

 

積年の夢を実現させることばかりに頭ふわふわになることを防ぐために、まずは仕事の認識を。でもそれも沢山の行動が不可欠です。なんだか身体の芯が熱くなってきました。風車に悩まされた永い時間を宝物に変えるために、受け止めた重たいマイナスエネルギーを明るい野望に変えていきます。2022年、ゆるく書き続けてきたこのブログのステージも上がるといいな。