勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

三度に渡るオンライン説明会がありました

香肌小学校の親子山村留学実行委員会として、子連れ移住の推進活動を粘り強く続けています。一時期は10人を切りそうだった児童数がつい先日20人になったという、大きな節目もありました。指で数えられるほどの増減ですが、なかなかのインパクトがある活動になっています。児童一人が加わるには保護者一人以上が共に移住してきます。全世界の他のどこでもなく香肌小学校があるこの地域にやって来てくれた家族とのご縁が心からありがたいです。

 

【活動は続いていきます】

で、気を抜いてはすぐにまた落ち込むのが現状ですね。まだまだ力と時間を使って呼び込み活動を続けなければこのいい流れも水の泡です。美しい里山を有する広い地域がこの先続いていくには人の新陳代謝がどうしても必要なのです。先細って不安抱えていては土地が荒れちゃうのです。安定して毎年三家族なり加わり続けていき、地域に学校が存続していくには丁寧な継続が必要です。遥かな道ですが、確実に動いていて、軌道に乗れば全然無理ではない地域の姿です。

というわけで2023年度も5月、6月、7月と一回ずつ三度に渡って香肌小学校親子山村留学のオンライン説明会を行い、各回大体5組程の参加を受け付け、次につながる希望がある顔合わせができました。本当にありがたいことです。

無料のオンライン説明会とはいえ日時完全指定の少ないチャンスなので、逃してしまう方もいるのでしょう。チャンスの前髪をつかんでくれた行動力のある方とこれから近しくなっていけるでしょうか。

学校をきっかけに人の輪が広がっていきます

【転入・移住家族の程よい助け合い】

親子山村留学をきっかけに香肌小学校校区に子連れで移住された方々は、大体ほどよい距離感で仲がいい印象があります。会う機会も多くない地元の保護者さんと距離を縮めるのはそれなりに時間がかかりますが、新しい方同士ですと助け合えることや発見や感動を共感し合えることも多いです。田舎の風習を初年度に肌で感じた方が次の方に伝えられることは地元民には想像もつかない程ありますし、先に築いておいたネットワークを徐々に広げていくこともやり易いです。時間差で地域に散らばっている人の増え方というのは一斉に同じ場所に入るよりもむしろ、人々の交流は活き活きするのかなと思います。情報とかネットワークって新しい場所ではより必要ですからね。

 

そういえば私が以前、子連れの駐在家族として天津とマニラ近郊について行った時も、先住の方々に随分助けてもらいました。海外生活の中で限られた日本人が固まりがちなので人間関係としては歪なのかもしれませんが、その中でもやはり頼れる人や気の合う人に出会って助け合って暮らせたことは、運命の有り難さなのでありました。

親子山村留学の移住だと言葉の壁はないものの、文化や地盤の差はやはり大きいので、親も孤独にならずに地域に溶け込んでいくのにも先輩から後輩へのつなぎは大事だなぁと実感します。もちろん大人同士なので先輩後輩関係は絶対でないですし、気が合う合わないは優先したらいいです。その上で家族ぐるみで助け合ってドキドキの田舎暮らしを乗り越えていけるなら、親にとっても学校以上に学びがあるかけがえのない時間と経験が積み重なっていきます。そこから更に地域の方にも可愛がられてたくさんのものを(物理的にも)受け取って、またつないでいく循環が起こっています。

 

【ぴったりの物件に出会えるといいな】

オンライン説明会というチャンスに飛びついてくれた方々で、つながって飛び込んでくれる人がまたいるのでしょう。楽しく安心して住める物件が浮かび上がってくれることを念じています。不思議なことに、空き家を探してもなかなか出てこないときは出てこないのですが、これぞという方が現れるタイミングでちょうど話があることが度々あります。今度はどの地域でそんな嬉しい話があり、今の児童たちにもまた新しい出会いという学びの体験があるのでしょう。

小さな学校は閉鎖的になりがちなことが社会性の発達を妨げるとも思われがちなのですが、外からの刺激がしばしば入ってくる今の香肌小学校の状態は、どんな多様性を謳う場よりも「受け入れる力」が育つ場所ではないでしょうか。わりといろんな方から言われるのです。移住促進を進めていて、大人もだけど実際受け入れられる子供たちがもっとすごいねと。私は元々新しい出会いに抵抗がない人なのでそんなこと考え及びもしませんでしたが、元は静かな環境であったのに、なんだか次々に転校生が来るのはもしかしてストレスになるのかもしれません。転入性が増えて喜ぶ半面、混乱している保護者も実際おられますしね。そしてだんだん移住者のほうが多くなって地元の子が肩身が狭くなるなんてことがあったらそれは本末転倒です。心配してくれる人はよく物事が見えている方ですね。

でもそんな心配を軽々乗り越えて、元々友達かのように過ごせるのが子供の力です。それぞれの仲良しはいても固定グループなんて作れないような超小規模校で、自分らしく好きに過ごしている子が多いので、別の個性がやって来ても黒船襲来にはならないようです。我が子なんて興味のアンテナも立たず、自分の好きに生きています。

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