勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

PTAの光と闇、というほど刺激的なことでもないけれど

お題「PTA役員をやって感じたこと」

 

最近「みんなのお題」で記事を書くことも増えてきました。少しのきっかけで書くスイッチが入るのでお題投稿はありがたいです。

このお題は書くのになかなかの勇気が要るのですが、経験者にしか言えないこともあるので頑張って書き出してみます。

 

現在子どもたちが通っている香肌小学校ではPTAでもめることは知る限りないのですが、世間ではPTAのイメージはもうなんだか散々なことを、役員をやってみて知りました。なんでそんなに嫌がられてしまうのか、心地よく協力していくことはできないのか、松阪市のおかれている状況と共に考えてみました。

【前提として】

・各学校単位でのPTAは有意義

・市の連合会以上の上部組織はちょっと

この趣旨で長々と書いていきました。

【学校のPTAの役割】

一般にイメージするPTAはこの段階です。

一つの学校でたくさんの保護者がいる中で役員を決めて、PTA会長や副会長、○○部会長や広報委員などが選ばれ、学校行事のスタッフやバザーなどがあれば運営をすることになっていて、一般保護者であるよりも先生方と関わる機会が増えます。

運動会や各種行事でのPTA会長の挨拶や、PTA新聞への寄稿、会議の出席などがあります。

増える役割としてはこんなイメージがあればいいかな。

・年数回の会議

・総会進行(近年書面議決になった学校がほとんどですが)

・行事での運営サポート

・中学校区など学校外の会議や市の会長会出席(会長のみ)

・臨時招集

・次年度の役員決め

 

香肌小学校では役員決めは会長と副会長が相談して、秋ごろに声をかけてスムーズにほとんどスムーズに決まっていき、人数が限られているし家庭の事情もみんな大体わかるので、できる人ができるときに引き受けてみんなで回すという在り方です。これが当たり前であることの素晴らしさを他の学校の話を聞いて驚くのですよ。

 

年数回の会議や行事のサポートもスムーズに和やかに進んでいきます。

行事でPTA役員が学校側と協力してスタッフをしている姿は子供たちの目にも移り、保護者からも支えられていることを感じますし、役割を果たすことを行動で示せることはありがたいです。

PTA行事である年2回の環境整備作業という草刈はほぼ全PTA会員が参加して、みんなで運動場や学校周りをきれいにします。子供たちの手伝いも可能で、和気あいあいと作業するのはなかなか楽しい時間ですし、親同士や先生との情報交換の場にもなるので、無理のない範囲で参加することはお互いのためになっています。

というわけで香肌小学校のPTAに関しては意義深いと私は思っています。

 

【市のPTA連合会の役割】

各市町でPTA連合会という組織があることを知るのは、ほぼ自身がPTA会長になって「会長会」という会議に出席するようになってからです。それ以前も市のPTA新聞が配布されていたのでPTAをまとめる組織があることは知っておったのですが、何をしているのかは不透明なまま、昨年度は本部役員会の副会長4人のうちの1人を引き受けていました。飯高・飯南地域6校のうちの会長1人には役が回ってくるのですね。

とにかく一年の間、PTA連合会の本部役員を務めてみてやっとわかった組織の意義として次の5つが挙げられるのではないでしょうか。どこにも明記されていないからもっとあるかもしれないし、ないかもしれません。

【市PTA連合会の役割】

1.会長会を開いて各校の交流を図ること(年4回程度)

2.研修会を開いて保護者及び教職員の学びの機会を提供すること

3.「教育予算にかかる署名」に協力すること(※松阪市の場合は)

4.市で行われる各種会議に保護者代表として参加して意見を述べること

5.事務局を持ち、幼稚園・学校教育に関する窓口となること

 

私的ですが上記のようにまとめることができます。

また、県のPTA連合にも入っていることでPTA活動のときに保険が安くかけられる利点があるようです。

更にまた、球技大会などに関わる活動をするときに、市PTA連合会に加盟していれば体育館や運動場など賃料がかからない又は安いということも聞きました。

 

ちょっと刺激的なタイトルですが、PTA連合会についてよほどわかりやすくまとめている記事はこちら。

soctama.jp

 

交流や研修は必要なときもありますが、そのために苦労して本部役員を設けて会議を何度も開くとなると、本当に必要かなとは疑問が上がります。他に方法はないのかと改革できるやんと湧き起こるざわつきは消えませんでした。なにせ連合会の会長を引き受けると年間100~200の会議や研修があり、働く大人がボランティアで引き受けるのは現実的ではないのです。それなのに担い手がおらず会長選出のために長時間話し合いをするのなら、あれ、そんなにまでして?と思いたくもなりました。

それとまた、保護者が引き受けるPTA活動のはずなのですが、私がいた昨年度は子供の話はどこにつながるのかなぁという時間が長かったです。教育委員会の話やコミュニティスクールに関わる話、また研修会の模擬授業も子供たちに関わることではあるのですが、そうでない話が長過ぎて埋もれてしまったので、いったい何をしているのだろうとの疑問は払拭できなかったです。

 

個人的な単年度の感想であって、連合会の活動が好きな方もおられるし、意義があるから長く続いてきたのだとは思うのですが、組織存続ありきで話が進んでいたため、なんだか不透明な印象が強かったです。そして今年度もまた話が見えにくくて関わる人々が憂鬱になっていることを聞くと、何のために市のあちこちからボランティアで集まったいい大人たち(本当に良い大人たちです)が先の見えない会議をして苦しまねばならないのだと質問してみたくなるのです。

 

【上部組織の役割】

市のPTA連合会に入っていると同時に県のPTA連合会にも所属するらしく、更に日本全国PTA連合会という上部組織もあるのだとか。

県は毎年関係者の研修会を開いているそうです。

47都道府県で地域別にグループがあり、三重県は東海ブロックに属しています。

47都道府県を毎年回る全国大会があったり、ブロック別で数年に1度回ってくる地方大会という名の大きなイベントがあります。

大会では学校の取り組みが発表され、研修もあるようですが、当事者にならないとほぼわからない大会です。そして当事者になると負担がとんでもないと聞きます。

なぜ子供の学校でPTA役員を引き受けたがために、PTAの地方別ブロック大会や全国大会のボランティアスタッフをしなければならないのか、腑に落ちる理由がどこにもないのです。

日本PTA連合会は立派なHPもあって、取り組み内容も紹介されていますが、いじめ対策ハンドブックを作るとか、スマホの使い方リーフレットを作るとか、あれ?そんな活動だったのと驚きの取り組み内容でした。人材育成のための研修はもう少し深堀りしてみたくなりましたが、リーフレット作りやアンケート調査のために全国組織があって、保護者からのPTA会費で人件費が出ているのか。気になるレベルでもありませんが、そのために市PTA連合会で会長選出でもめ続けるのはご免こうむりたいと言っても咎められはしないと思いたいです。

www.nippon-pta.or.jp

PTA役員になっているという理由でもなければ、研修とか講演とか積極的に受けたり聞いたりする人は少ないかもしれないけれど、この情報時代、めちゃくちゃ面白い講演会も自分で探せますし、「研修をしないといけない」という意識で企画・運営する研修によくわからず参加している大人たちの姿って、子供の目に憧れるべき姿として映るとは私には思えないのです。戦後からの歴史があるPTA連合会のおかげで、日本の大人が学ぶ意欲を向上させたという根拠や事例はどうにも見当たらないのです。

 

→であるならば

連合会はこれ以上続ける意義があるのだろうか。

子供のそばにいる教職員や保護者同士が交流し、協力する姿は子供にも良い影響がありそうですが、子供との時間を削って会議に行って役員選出にもめるのって、子供にも自分にも何の学びになるのでしょうか。

昨年度、それなりに役割を引き受けて、かなりの時間を割かねばならなかったので、相当真面目に考えました。夜遅くにひっそり家に帰って来て、子供たちにも心配をかけてしまいました。出会った人々に関してはその連合会での出会いが良くなかったとは全く思いませんし、熱心な保護者さんがいることや他校の事情が知れたこと、いろいろな会の時々で香肌小学校や飯高中学校の話が出て、市の中でも飯高地域の学校は大事にされているなと感じたことはとてもよかったです。

でも、それくらいなのです。香肌小学校や飯高中学校の良さは他の人の口から語られるよりもっと知っています。実感したければ遠く離れた会議室に行かずに、学校で手伝いをすればいいです。他校の保護者さんに出会うのも習い事や進学時に、また自分で選んだ講演やイベントなどがあればそこで会えばいいのです。

 

というわけで、現在なんだか事情がガラッと変わって、市の連合会を当たり前に入らなくてもいいのではないかという流れになっています。各自が学校のPTAを抜けるというよりも、学校のPTAが連合会に入らないでよくなるかもしれません。

本当に抜けられるのかならないのか、困ることが起きるのか起きないのか。今の時点ではまだわかりませんが、時代の流れでPTA役員が敬遠される一方であるのに大きな組織を維持し続けるのは、負担の偏りが激しくなる一方です。

私がPTAの会長会や役員会で出会った各学校の会長さんは、責任感のある子供想いの立派な大人たちでした。その人たちの大切な時間をもっと明るくて未来のあることに使って欲しいと心から願います。「いい話聞いた!」「いい時間を過ごせた!」そんな役得であってほしいです。

一年としばらく関わってきた私が言えるのはまあこのくらいかな。違う意見があって当然ですし、残す意義を大きく持っている人もいるのでしょう。でもね、本当に正直な話、しんどかったんですよ。そして空しかったのです。

学校単体はつながりがあったほうがいい。そこは笑顔で言えます。もっと身近なところをよくしていけばいい。情報や交流は、ネットワークのある時代ですからね。

 

ぼやきにしか過ぎないかもしれない私的な考察が、誰かの役に立てば幸いです。