勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

創作エネルギーの出し方

今週のお題「大発見」

 

呑気に幸せに生きていくことが今世の目的とはいえ

呑気に幸せにだけしていると、創作活動には向いていないという矛盾があります。

 

料理人を筆頭に芸術家たちがパリで人間くさーく過ごす成長ストーリーである『アルティスト』という漫画に出てくるセリフで、小説家の方がスランプに陥り

「幸せなやつが書いた話なんか読みたいやつがいるか!!」みたいなセリフを吐くシーンがありまして

めっちゃ刺さりまくってます。

 

不幸な話が好きなんではないけれど、人としての葛藤が何もない物語なんてゴミくずです。

『アルティスト』は歪んだ芸術家ばかりが集いもがいているから、魅力的な物語です。

Artiste 10 クロックムッシュのぬいぐるみキーホルダー付き限定版

わーい、新刊待ち

 

というわけで、芸術家として生きていくことを自分の軸にした私としても

安穏と幸せでいる状態は危険信号でしかありません。

 

いや、いいんですよ、幸せで。

好んで不幸せに突っ込んでいくことはないのですが、しかし

満ち足りていると出てくる言葉はやっぱりつまらない。

ロックンロールは叫ぶもの

もちろん現実の人との会話では曇りがないほうがいいです。

澄んだ光を周りに放つ人であれているかのほうを余程気に懸けます。

自分の口から放たれる言葉が愚痴では恥ずかしくて嫌だ嫌だ。

 

けれど、時々やってくる腹立たしさっていうのは私にもあって

気にしないように抑え込んでいたけれど、噴き出しそうになりました。

だから抑えずその状態でがむしゃらに短歌手帖に書きなぐってみたら

めっちゃ創作進んでびっくりでした。

満たされている時はほんとにつまんないのしか出ないのに

毒を隠し持っている短い歌は、読み返しても面白いだなんて。

 

そして創作として枠に落とすと不思議と生の心はすっきりするものです。

対象に対して自分で客観的になれるので、人に聞かせるより余程いい。

これは大発見としてもいいのでは。

 

読ませるのはどうなのかな。

一番どうしたーっていうレベルのでもそんなに強くはないとは思いますが

毒に刺されてしまったらゴメンあそばせです。

 

【嫌な奴がもっとたくさんいればいい石ころみたいに転がればいい】

【許したくないわけじゃない別にいいただ存在してはいないでほしい】

【散り散りの私をぎゅっと集め抱くストーブ前で顔も上げずに】

【いつまでも炊飯釜にこびりつくザラリの想い不燃ゴミに出す】

【毛穴から膿がぴょろりと出ていくように汚い思いが噴き出して吉】

 

こんな感じでいっぱい綴りました。

稚拙甚だしって感じですが、きれいに作ろうとしなのよりは余程歌らしくなりました。

 

本命の詩作にも影響があるとガッツポーズだぜ。

ありがとう、毒矢放ってくれて!

 

茨木のり子さんも、詩作に怒りを出していた先輩です。

生の声だから響いた詩がいっぱいあります。

飴玉みたいにきれいな詩を生み出す人でいたいけど

勢いつけて泥団子もまた美しい。

茨木のり子集 言の葉 全3冊セット (ちくま文庫)

 

理不尽な怒りを創作のエネルギーに変換する。

もしかして基本のキだったかな。