勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

遥かなる新嘗の味

今年念願の田んぼに挑戦してみた亀成園。近所で田んぼを貸してもらえ、隣町で自然農の米作りを教えてもらえ、仲良しの先輩に時々アドバイスがもらえたり地域の篤農家と呼んで差し支えない方に農機を貸して頂けたりと、二重三重のご好意に支えられての米作りでした。なにせ農的暮らしをしていると言ってもまだまだ素人な亀成家族です。アドバイザーや師匠の存在がどれほどありがたいことか。


稲刈りの後の行程は改めて綴りまして、とにかく先にお宝一膳を披露です。しばらく前なのですけれどね。写真にもこだわろうともたもたしておりました。

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そしてこちらが卵かけご飯。ツヤツヤのプリっぷりの至福の一膳です。とてもじっくり味わっているつもりなのにあっという間に茶碗の底とご対面してしまうのは、夢中になり過ぎるほどの旨さがあるからですね。

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今年採れたのは隣町の田んぼでとりあえず持たせてもらった10キロ分。自分とこの田んぼで100キロ分程です。毎月30キロを消費する我が家では年間で足りる量ではありませんが、冬の間は噛み締める食卓になりそうです。が、どうも消費が早い気が。美味しいものに目がなく素直に大食いに育つ子供たちです。


ところで自然農で作ったお米は、味が深く安心で健康なお米であるのですが、草や虫を敵視せず育てるため、草取りが追いつかなかったり虫にやられたりすることもあります。考えられる原因や守る方法もあるはずですが、気候の変化もあり、虫が発生しやすい年や日照りにやられてしまう年もあるようです。今年は育ちはよく草にも負けなかったのですが、生育の終わり頃、カメムシに吸われてしまったところがあります。穂はついているのに中身が空っぽになって軽くなってしまった稲は可哀想ですが、ここはカメムシの勝ちということで学ぶ経験にしなければいけません。


カメムシが吸ったけれど全部吸われず残った米もあります。ちょっと吸われたところが黒くなってしまい、炊いてからもわかります。白いご飯にちょこちょこ黒が混じっているとやはり見映えはよくなくて、敬遠されても無理はないです。このため通常出荷されているお米にはカメムシ除けの薬が使われているのですから、市場の声は圧倒的に「No Kamemushi, No Kuromi!」です。もちろん私も黒いのがないほうがいいなぁとは思いますが、身体に悪いものじゃなければ工夫して食べようとチャレンジしてみます。だって大事なお米ですからね。炊き込みご飯にしたり土鍋で焦げ目を付けたり玄米ご飯で醤油をかけたりすれば黒いのも目立たなくなりそうです。なにせカメムシを排除する薬は、ミツバチも減らしてしまう副作用があるようなのです。お米にはミツバチは不要かもしれませんが、果菜や果物、それに蜂蜜にもミツバチは必要不可欠で、私はどうにも虫を撲滅させて食卓を潤そうとは思えません。


と、頭でっかちなあえて選んでエコロジストな大人は割り切って黒混じりご飯が食べられますが、子供はどうかなと少し心配でした。どの子も家では平気でおかわりまでしますが、保育園にご飯を持って行く末娘は気懸りでした。おかずは出るのですが主食のご飯はうちから適量を持って行くことになっています。小さな子はよく見えて正直なので、ちょっと胚芽米にしていたりもち麦が混ざっていてもすぐに気付かれて、「なんかそれ違う」と指摘があるようです。そんな環境で黒混じりご飯なんか持って行ったらどうなるか。いちおう娘には説明し、担任の先生にも伝えたら、流石地元の先生ですぐに理解してくれました。ありがたいです。


いちおう予防策はしておいても気にはなっていたら、その日帰ってきた娘はあっけらかんと、「カメムシが吸ったから黒いねんって自分で言った」とのことでした。それで周りの子の理解が得られたとは思えませんが、少なくとも恥をかいたとかからかわれたとかはなかったようです。普段は恥ずかしがり屋を気取るのに、ここでは度胸があったのかな。少し常識と外れることに親がチャレンジしていたら、子供は巻き込まれます。そこを恥ずかしいからやめてと思わず、家族で頑張ってるんだと堂々としていてほしいなといつも思っています。難関に思われたカメムシご飯がクリアできて地味にすごく嬉しかったです。冗長になってしまいましたが、残しておきたい出来事でした。