山暮らしの身で唯一不足するのが海のミネラルです。海苔やアオサ、ちょっといい塩は欠かさないようにしておりますが、ちびちび食べているのでたまにはどかっと摂取したくなります。
息子が海釣りに行きたいとのことで、三重の海でできる場所を探しているといろんな写真が出てきます。わかめを養殖している海も出てきて、あそこの人たちは相変わらず元気かなと思っていると、電話がありました。
「近くまで来てるんやけど、わかめもらって」と。
えーっ!まさかこんなシンクロニシティ。
好きな人からの贈り物は四の五の言わずに受け取るのが私のスタンスです。わかめはすごい量でした。アカモクもどっさりありました。
流石にこれは受け取れるかと構えそうになったら「周りの人らにも分けたって」とのお告げがきました。週末いろいろあるにはありますが、うん、なんとかならんこともない。山で暮らす人たちに三重の海でとれたデカい生わかめを配るチャンス到来です。
香肌小学校に転入してきてくれた各地からの仲間たちに、春の恵みを分けるには、まず自分が調理してみなくちゃいけません。
1メートル以上ある生わかめひとつを、ワカメ部分と茎わかめ部分、めかぶ部分に分けるとこんなかんじです。めかぶはひだひだのところをさらに切り落とします。
洗ってから3種に分けて、それぞれを熱湯で下処理します。
わかめはしゃぶしゃぶくらいの感覚で、あっという間に色変わり。
めかぶは20秒くらいでしょうか。すぐにぬるぬるするのでトングでつかみ上げます。
茎わかめは最後に少し時間をかけて。3種次々に湯がくと結構汚れが出てくるので、茎わかめはザルにあげます。1本か2本くらいは同時にできますが、さて何本あったのか。
お次はアカモクです。以前勤めていたこんにゃく屋さんでアカモクは重要素材だったので私は詳しかったのですが、すぐにはピンと来ない方が多いですね。
私も本物に触れたのは初めてでした。太めの紐のようなところからプチプチした海藻部分を外して、水洗いして熱湯処理です。
お湯につけると、まあ鮮やか。
これを刻んでねばねばを出します。
さしみこんにゃくのページはこちらから。随分力をいれて宣伝していたこともあり、いろいろな経験がつながって嬉しい限りです。
人におすそ分けするなら食べ方や保存方法も一緒に伝えなきゃいけません。
わかめはまあいいとしても、茎わかめはそんなに使われていないですよね。でも一本の生ワカメだと大量の茎わかめが出て、細さもバラバラなので何種類かの食べ方は知りたいところです。
バター炒め、つくだ煮、塩に付けてから干しておやつ昆布みたいに。
水気のないレシピがあればお弁当にも役立ちそうです。
あ、生わかめが大きいまま手に入ったらワカメ寿司もできることを伝えなきゃいけませんでした。海苔代わりに巻いて使いますよ。黒っぽい巻き寿司が鮮やか緑になって美しいです。
わかめは干して保存もできることも忘れず伝えました。
めかぶとアカモクはねばねばを出してから冷凍もできます。
食べ方としては、とろろと混ぜる、納豆と混ぜる、素麺にのせるの他、亀成園の卵と混ぜるのも最高ですの。さらにこんにゃく香肌麺を入れてもいいです。
食の百貨店、グランドフードホールでも取り扱いのある上野屋のこんにゃく香肌麺。
ねばねばしたものと混ぜての食べ方はもっと広めていきたいです。
とまあ、こんな豆知識を用意して、海からの贈り物を新規移住の5家族にお分けしました。時間のありそうな方はデカい生わかめそのままで体験まで楽しんでもらい、ちょっと下処理大変そうだなという方には切り分けて熱湯にくぐらせたものを、それぞれ嬉しいサイズで取りに来てもらったりお届けしたり。
急なことなのに皆さんに喜んでもらえて、またいい経験ができました。
移住して来られて不便も多いし不安もあって当然の中、少しでも楽しいや美味しいを増やしていってもらえたら本望です。
そして里山と里海は密接につながっていること、人々の交流も深いこともまた、いつだってご機嫌に伝えていきたいですね。
今週のお題「変わった」
人との出会いや付き合い方も変わる季節だし、ワカメもびっくりの変化をします。
感覚が変わっていくことを恐れずに、春を前向きに。
しばらくミネラルに困らなくなって、免疫力も上げていけそうです。