勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

夏までの短歌まとめ

お恥ずかしながら地域の短歌サークルを月1で楽しむようになって半年。

以前3か月分をまとめたので、最近の3か月分もまとめておきます。

需要は私の見返しのためですね。戒めともいいますか。

前回はこちら↓

kamenarien.hatenadiary.com

 

4月に作って5月に載せた(公民館だより)のはこちらです。

「ワラビ有り。秘密の場所じゃないけれど教えてあげる優しさまだない」

春の喜びを楽しく込められているでしょうか。

山菜探しは田舎で暮らす身には季節のお楽しみで、新しく来られた方が山菜に喜んでくれる姿は嬉しいのですが、はて自分の摘み草ポイントをさらけ出せるかというと、これはなかなか難しい。下手に教えて乱獲される可能性もあります。知り合いを信じていないわけではありませんが、虫食い的に広まってしまうこともあることを弁えておきたいなといつも思っています。

いじわる田舎心が出てしまいましたが、サークルメンバーの共感が高くてよかったです。「みんなそう。私も教えへんわ」地域の人々もうなづいてくれたでしょうか。

 

2首目も春の喜びをふんだんに

「ケロチュピピ命かしまし田んぼ道 なにより好きは水路の唄よ」

脳天気な雰囲気全開ですね。カエルもツバメもやかましくて好きな春だけど、私が一番心躍るのはコポコポという水路の音です。田んぼに続く水の音。これが命をつなぐ音。

もっとかっこよく詠みたいなぁと悔しいですが、自分らしさがよく出ました。

3か月分のイメージまとめ

5月に作って6月に掲載されたのはこれ

麦秋の眺め体感和らげる つるりひんやり伊勢うどんよし」

黄金の麦畑がとてもきれい。ただうっとりすればいいのに、これが伊勢うどんになるんだなぁとのど越しまで想像してしまう食い意地よ。

麦畑の実りを「麦秋」と表現すると、字面からもなんだか涼しさを感じられて暑さが和らいだのですが、この感覚は共感されにくかったです。字を見るだけで感覚まで変わるのは一般ではないと学んだ記念の一首。

 

「梅の実が三つ並んであらミッキー 娘、仲間と今夢の国」

長女が修学旅行で東京ディズニーランドに行っておりました。ミッキーマウスがいっぱいのところだなぁと想いを馳せると、散歩道に成った梅の実もミッキーに見えてくるという母心です。丸を三つ、顔と耳のように並べたら、ほら。

PhotoACからダウンロードしました。サンクス

この地域の中学生が東京に修学旅行に行けたのは3年ぶりです。ああ、修学旅行も元に戻って来たんだなぁと感じてくれる人が地域にどのくらいいるのかはわかりませんが、報告も兼ねての歌でした。

隣の県である和歌山への修学旅行も海があり梅がありアドベンチャーワールドありでいいなぁと思いますが、田舎の中学生にとってみんなで東京へ行くという機会はやはり憧れだったのでしょう。しっかり3日間楽しんで来てくれました。ミニーちゃんの耳飾りは秋の学校祭で再登場するのでしょうか。

 

6月に作って7月に掲載されたのは

「あの庭もここも紫陽花見事なり。我が庭だけが季節遅れか」

隣の芝は青いと言ったものですが、同じ種の花があって自分ところのだけ咲いていなかったら、まあ僻みますよね。目を楽しませてもらうにはあちこちうろつけばいいのですが、帰ってきたらうちだけまだかいなという、緑の指をもたない者のぼやきです。

想いが通じたのか歌が載る頃には咲いたので、すっかり僻みなし。今年は早めに剪定してあげなきゃですね。

 

さて、挑戦の歌がこちら

「床に臥しドクダミ梅の実待ったなし。「元気一番」悔し泣きする」

この頃なんだかほんとうに身体の調子が悪くて、だるさが長続きしていました。薬用草を摘みたいし、梅仕事もしたいのに、最初の一歩ができないまま何日も過ぎていってしまう悔しさといったら。せっかくなので病床の歌を作ろうと考えあぐねてできたのがこれなのです。あら、具合悪かったのね、とはアピールできそうですが、まだまだ悲哀感には欠けてしまいます。「咳をしても一人」という印象的な自由律俳句を残した尾崎放哉のように、哀しさたっぷりのゆえに人気者の石川啄木のように、私にもどうしようもなさを訴えた歌が詠めるでしょうか。

床から起きてすぐに、梅干し4瓶仕込んでいては、再び病床につくのは遠い先になりそうです。もっと詠んでおけばよかった。

6月の集まりでは紫陽花、蛍、梅、枇杷、笹百合とたくさんの植物や虫がみなさんの歌に登場しました。季節感を共有出来て残していける短歌サークルのおかげで、毎月何かを探して表現する習慣が続いていきます。

次は七夕の歌をどうにかほのエロくできないかと考えあぐねているところです。病だのエロだの、挑戦してみたいことが続々降ってくる楽しみが、やめられません。