勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

ビブリオバトルはもっと広がっていくのか

読書家で作文も好きで人前で発表することに緊張もせずに自分を主張できるという、

別に何も派手なことはしていないけれど、現代中学生として稀有な存在の一人であることは間違いないだろうなという長女がおります。

黙々と淡々と苦も無く勉強を続けることができ、健康管理もしているとても手がかからない受験生は、本番まで1ヶ月となりました。めちゃくちゃヤバくもないけれど楽観できる程でもなく、さてこれから後どれくらい伸びるのかどうなのか、母にできることは何かあるのかなぁと一人目から達観視することになるとは思いもよらなかったけれど、まあ長女の場合はそうなるのですね。

 

真面目にコツコツ、追い詰められることもなく日々それなりに楽しむ長女には、この3年間密かに目標としてきた趣味がもう一つあります。

冒頭で紹介した「読書家で作文も好きで人前で発表することに緊張もせずに自分を主張できる」ことをそのまま活かしたその趣味は

ビブリオバトルという知る人ぞ知る競技なのです。

www.bibliobattle.jp

読書なのにバトル?

不思議な組み合わせですね。バトルというよりコンペですが、1位を決めるということで気合の入る言葉はバトルなのでしょう。

おすすめ本を皆の前で発表し、得票数によってチャンプを競うのです。

 

三重県でも中学生大会というのが行われており、ついこの間の年末に第4回大会に出場してきたところです。全国大会は3月にあり、全国で14県が参加する中に三重県がちゃっかり入っているなんて、誇らしい話ですね。

競技人口は多くない、というか中学生は三重県全部で毎年10数人集まるか集まらないかというこのマイナーな大会に、なんと彼女は3年連続出場してきたのです。1年生の時は3年生の子と2人で出場しましたが、2年3年と悩むこともなく自ら出場を決め、勝手に準備をしてきました。

先日大会で発表したのはこの本です。

戦後の国家的事業としての新幹線。

ゼロ戦の技術が夢を乗せる高速な乗り物になっていく歴史を作ってきた人々の話を読んで、現代中学生が感じたことを伝えてくれました。

 

ビブリオバトル普及活動をしている皇學館大學の先生が全体評で述べられていたのですが、

読書は一人ではできないんです。

限りなく一人でしかできない行為でありながら、一人の人が一人で読書をすることを可能にしているのは何なのでしょう。

人がその本に出会うためには、本が存在する必要がありますし、流通して手元に届くには実はとても多くの人が関わっています。

今回彼女が選んで発表した本も私のおすすめなのですが、「お母さんに紹介してもらって読んでみました」という一言は読書啓蒙活動をする人にはたまらない言葉なのです。

本は人がつないでこそ意味がある。

ビブリオバトルでは自分(私の場合は子供)以外の発表する本に出会うのも楽しみで、参加した人は帰り際には一覧表を配ってもらえます。

今回のチャンプ本(一番得票の多かった本)は、きっと自分では選ぶことがないであろうこの本ですが、発表がすごく印象的だったので、そのうち手に取ることになりそうでうす。

長女も、受験を終えて思い切り読書の世界に浸ることを楽しみにしています。

人を通しての本の出会いという豊かな趣味は、これからも彼女を支えていくでしょう。

 

試験が作文ならもっと楽に通りそうなのですけどね。

英語と数学に四苦八苦する受験の時間というのもまた、かけがえのない時なのでしょう。読書と音楽とビブリオバトルが好きな第一子に心からのエールを。