勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

15の娘とまだ共演できるなんて

第一子が爆誕したのは15年前の夏でした。

エネルギーの塊そのものだった子が、あれよあれよと下三人を引っさげる長子となって、親都合による幾多の引越しや暮らしのチャレンジを全部受け止める間に、冷静なたくましい子に育っていきました。

このお題、子ども目線で書くんだろうなとは思うもの、子供たちへの感謝をどう表したらいいかソワソワしているので使わせて頂きます。

お題「この家族に生まれてよかったと思ったこと」

 

旦那さん以外を産んだのは私です。生まれてきてくれた子たちに出会えて、共に過ごしてこられて、いつも心地よく居られることは本当に有難いです。以前ほどどこに行くにも一緒という事は少なくなりましたし、それぞれ好きに過ごせるので持て余すこともほとんどなくなりつつ、山や海、川遊びはそろうことが多いし、田んぼ仕事なども集まってこなしてくれます。

 

私自身が15歳の頃、家は必ずしも居心地のいいところではありませんでした。

家族団らんもなかったし、個室でラジオ聴きながら、自由になりたい飛び出したいと望みながら机に向かっていたものです。

まあそれもそれで泥臭くて悪くないなと思うのですが、親からすると早くに仕上げ過ぎた感ありますよね。それも自立できる様々な力が伴っていないのに、当たり前にすねかじりまくりなくせに、自由の翼だけを求める痛々しい娘に育っちゃってましたね。親は心労あったろうなと反省です。

 

それに比べて我が娘の15歳はなんとどっしりしていることでしょうか。見た目というよりは中身がね。

いつも子供を振り回すやかましい両親のことも冷静に受け止め、いかにもわがままな下の子たちにもおおらかに対処し、コツコツと真面目に受験勉強と吹奏楽に取組んでおります。次女とは抜群の協力体制で、さらっと家事の手伝いもするし、学校などでの人間関係も淡々と良好だし、あれまあなんという安定感でしょう。

 

そんな娘の誕生日祝いを家族で行いました。

お母ちゃん(私)がケーキを作ってくれないので、甘いもの好きな小学生たちが自ら準備したという僥倖エピソードもありました。動機があれば勝手に育ちますね。

皆が一目置く立派な長女。15歳おめでとうです。

私からのプレゼントは高校のお弁当を見据えたスープポット。

冬の朝に送り出すときも、温かいスープと一緒ならちょっとは安心かな。

 

さて15歳になってすぐ、部活動で初めて外部に移動しての演奏機会がありました。

娘が所属するのは「創作部」というなんでもありの文化部なのですが、ここ数年音楽に力を入れており、そこでチューバを吹くのが彼女の楽しみなのです。

 

吹奏楽部でもなく、コンクールなどはまだ縁がなく、学校祭や新入生歓迎で演奏をするくらいしか発表の機会もなかったのですが、この夏チャンスがあったのです。

中学校のOGで地域の高校吹奏楽部に進んだ先輩の母が福祉関連の仕事をしていて、私と共に金管バンドもやっているような関係から、

地域の福祉施設で中高合わせての音楽会!が実現したのです。

夏休みの土曜日は基本的に部活がない中、保護者の送迎などしてもらいますし、楽器を運搬するのに福祉施設からマイクロバスも出してもらって、施設の部屋をお借りして、また事前に高校生が中学校に来てくれて合同練習もしてと、このためにイレギュラーな動きがいろいろありました。初めてのことばかりで緊張も大きかったでしょうが、外部の人に聴いてもらうというのは演奏者の喜びです。

 

中学生だけで4曲

高校生だけで5曲

合同で2曲

全部で1時間を超えるなかなかのステージになりました。

 

中学校のメンバーは3年生4人、2年生3人、1年生3人の10人で、

楽経験もバラバラですし楽器もバラバラで、なかなか練習が進まない苦労もありながら、本番では10人そろって作り上げることができ、大きな成功体験になりました。

 

そして私は昔取った杵柄があり、打楽器を嗜んでいたので、何度か練習に顔を出して打楽器のアドバイスをし、更に当日最後の曲でドラムの助っ人もさせてもらいましたよ。

スカパラのドラムは他のよりうんとややこしいから実はかなりドキドキだったのですが、演奏を邪魔しない程度にはできたし、楽しい想いをさせてもらいました。


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お母ちゃんが部活に顔出して、ドラムまでするって思春期の娘としてはどうなんと心配もありますよ。

けれど低音の伴奏担当の娘としては、

「ちゃんとリズムとれる人が入ると演奏がやりやすくなる」ということでがっつり認めてくれているという驚きの役得話です。

 

いつ煙たがられて嫌がられても構いません。でも必要とされるならなんぼでも協力するし悩みも分かち合うし、テコ入れもするし、利用されます。

おかげさまで同じ演奏時間を共有できたし、秋の学校祭も一緒なのです。まさか娘とこんなつきあいができるとは、思ってもみなかったです。

 

秋まで部活をしながら受験勉強も進める長女です。

英数に力を入れるこの夏、こちらはお父さんが協力しようと乗り出しておりますよ。

親父に口出されるなんてウザ過ぎとか、思っていたとしても言わずに

「教えてくれてありがとう」と伝えるもので、お父さんがますます張り切るという。

 

4児みながこんなだとは流石に私も思わないので、長女との時間は貴重です。

親にしてもらって15年。奇跡のような夏が今です。